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本学への寄付

肝細胞がんに対するリキッドバイオプシー検査と腫瘍マーカーを組み合わせた新規診断インデックスの開発

 

 188博金宝,188博金宝网页大学院医学系研究科臨床検査?腫瘍学講座の山﨑隆弘教授、末廣寛准教授、國宗勇希(大学院生)、消化器?腫瘍外科学講座の永野浩昭教授、および消化器内科学講座の高見太郎教授らの研究グループは、肝細胞がん(以下、肝がん)に対するリキッドバイオプシー検査と腫瘍マーカーを組み合わせた新規診断インデックスを開発し、その研究成果が肝臓領域のトップジャーナルであるLiver Cancer誌 (IF 13.8)に掲載されました。

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発表のポイント

  • 改良型DNAメチル化アッセイ法の開発により工程の簡素化と診断性能の向上を実現した。
    ○ 解析に要する日数が3日から1日に短縮
    ○ 簡便かつ超高感度に定量測定が可能
  • 肝がん診断のための新規インデックス(ASDAm-H1 index)を開発した。
    ○ メチル化HOXA1と腫瘍マーカーの組み合わせ検査
    ○ ウイルス性?非ウイルス性、いずれの早期肝がんに対しても高い診断性能
    ○ 非ウイルス性肝がんに対する新たなサーベイランスシステムの可能性

 

概要

 188博金宝,188博金宝网页大学院医学系研究科臨床検査?腫瘍学講座の山﨑隆弘教授、末廣寛准教授、國宗勇希(大学院生)、消化器?腫瘍外科学講座の永野浩昭教授および消化器内科学講座の高見太郎教授らの研究グループは、リキッドバイオプシー検査(血漿や血清中に浮遊しているがん細胞や腫瘍特異的な遺伝子変化を非侵襲的に検出する方法)と腫瘍マーカーを組み合わせた肝がんに対する新規診断インデックスを開発しました。
 同研究者らは、新しいDNAメチル化レベル解析法であるCombined Restriction Digital PCR (CORD) アッセイを開発し、リキッドバイオプシーに応用することで、様々な消化器がんの診断に有用であることを報告してきました(注1)。今回、このCORDアッセイをさらに改良し、リキッドバイオプシーに用いたところ、このリキッドバイオプシーと従来の腫瘍マーカーとの組み合わせが肝がん診断に非常に有用であることを発見しました。肝がん診断の検査感度(注2)は86.2%、特異度(注3)は93.9%であり、早期がんでも76.3%と高い検査感度を示しています。なお、この新規診断インデックスをASDAm-H1 indexと命名しています。
 この研究成果は、肝臓領域のトップジャーナルであるLiver Cancer 誌 (IF 13.8)に2024年2月14日に公開されました。

改良型CORDアッセイ

 

発表論文の情報

  • 論文名: Combination Assay of Methylated HOXA1 with Tumor Markers Shows High Sensitivity for Detection of Early-Stage Hepatocellular Carcinoma(メチル化HOXA1と腫瘍マーカーの組み合わせ検査は早期肝細胞癌に対して高い検査感度を示す)
  • 著者:Yuki Kunimune, Yutaka Suehiro, Issei Saeki, Yurika Yamauchi, Norikazu Tanabe, Toshihiko Matsumoto, Shingo Higaki, Ikuei Fujii, Chieko Suzuki, Naoko Okayama, Mitsuaki Nishioka, Kiyoshi Ichihara, Hiroaki Nagano, Isao Sakaida, Taro Takami, Takahiro Yamasaki(國宗勇希、末廣寛、佐伯一成、山内由里佳、田邉規和、松本俊彦、檜垣真吾、藤井郁英、鈴木千衣子、岡山直子、西岡光昭、市原清志、永野浩昭、坂井田功、高見太郎、山﨑隆弘)
  • Liver Cancer 1–11. https://doi.org/10.1159/000536211

 

謝辞

 本研究は、JSPS科研費(20K08332、23H02817)、日本医療研究開発機構AMED(23ck016627h0003)の支援を受けて行われました。

 

注釈

(注1)肝がん以外に胃がん、大腸がん、膵がんで論文報告しています。
肝がん:
?Kotoh Y, Suehiro Y, Takami T, Nagano H, Yamasaki T, et al. Hepatol Commun. 2020; 4:461-70.
?Saeki I, Suehiro Y, Nagano H, Takami T, Yamasaki T, et al. Hepatol Int. 2023 Oct;17(5):1289-1299.
胃がん:
?Hideura E, Suehiro Y, Takami T, Yamasaki T, et al. Cancers (Basel). 2020; 12:789.
大腸がん:
?Suehiro Y, Takami T, Yamasaki T, et al. Oncotarget. 2018; 9:16974-87.
膵がん:
?Fujimoto Y, Suehiro Y, Takami T, Nagano H, Yamasaki T, et al. Oncology. 2021; 99:234-9.

?Suehiro Y, Takami T, Nagano H, Yamasaki T, et al. Oncology. 2022;100(12):674-684.

(注2)感度とは、病気の人達の中から、検査により病気の人を検出する力です。つまり今回であれば、その検査により肝がんと判断できる比率です。100%に近いほど感度が高い診断法と言えます。

(注3)特異度とは、病気でない人達の中から、病気でない人を検出する力を示します。その検査により肝がんでないと判断できる比率で、感度と同じように100%に近いほど特異度の高い診断法と言えます。

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